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【旅行記】只見線を乗りに会津若松に行くとか

2024年2月23日(木)天気:雨

 

今月に入り、風邪をひいたり皮膚炎になったりとかで全然遊びに行けず、やっと体調の戻った休日には雨という。そんな中、せっかくの平日休みに何もできないのは寂しいので久々の乗り鉄に行くことにしました。

 

今回は会津若松から小出まで伸びるJR東日本の超ローカル線、只見線の乗車が目的。

只見線は2011年7月の新潟・福島豪雨と呼ばれる大雨で橋梁が流されるなど大きな被害が出て、会津川口駅から只見駅間で長らく運休、 バス代行が行われていました。

この路線、去年の営業係数でいうと、56。これは100円稼ぐのに5600円掛かるという、超絶赤字路線なわけで。廃線も危ぶまれる中、11年の歳月を掛けて2022年の10月に奇跡の復活を遂げ、全線での営業を再開するに至りました。

 

会津若松にルーツを持つ自分としては、もっと早く乗りに行くべきだったのですが、意外と遅くなってしまったわけです。

 

 

今回はバスで会津若松へ。バスタ新宿7時30分発、会津夢街道1号。

 


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羽生SAと阿武隈PAの2回、途中休憩があります。写真は阿武隈PA、ここで乗務員が交代。

こんな雪の中でも、ハクセキレイがお尻フリフリ元気いっぱい。

 

猪苗代を経由し、バスは定刻通り会津若松の駅に12時17分到着。

今年は暖冬で雪が無いとは聞いていましたが、実際に見てみると本当に少ないですね。道路どころか植え込みですら土が見えているのは、異常なほど少ないかと。

 

軽めの昼食や買い出しを済ませ、只見線会津鉄道の発車ホームに向かいます。

うはぁ!だいぶ並んでる!これは予想外です。路線維持と考えればお客さんが乗ることは良いことなんですが…

写真は12時50分発の会津鉄道の車両。これの出発後に只見線が入線します。

 

 

今回乗る只見線の車両、JR東日本キハE120気動車の2両編成。コマツディーゼルエンジン搭載で純粋な気動車

 

運転台はシンプルなワンハンドルマスコン。タッチパネル式のモニターで大体を管理する、今車な車両ですね。

 

西若松の駅で会津鉄道と別れると列車は大きく右へ曲がり、ゆっくりと方向を変えながら会津盆地の南側の縁を辿ります。1枚目は阿賀川で、新潟県に入ると阿賀野川と名前を変えます。

車内はほぼ満席。どうやらJR東日本の企画切符、「キュンパス」なるものがあるそう。平日限定の乗り放題切符で、これを使い来た人が多いみたいですね。

私は直前で計画したからこの切符は使えず、通常運賃。

 

突如始まる飲み鉄、今回は会津の榮川 大吟醸 榮四郎。

お酒の知識はほぼ皆無なのですが、このお酒、まるで米のジュース!辛口苦手な人には最高の日本酒なのでは。ここまでクセのない日本酒ははじめて。

本当はボックスシートを悠々と使って呑みたかったのですが、またの機会に。次も榮四郎買おうっと。

 

列車は会津坂下を出ると、だんだんと山深くなります。しばらくすると、阿賀川の最大支流、只見川沿いを登って行きます。

何度も橋梁を渡り、その度に風光明媚な景色を皆思い思いに写真に収めていました。

 

しばらく揺られると列車は川沿いの駅、会津川口に到着します。ここで行き違いのため30分近く休憩。トイレや駅前の散策、売店で補給等、ゆっくりとウロウロできます。乗り遅れ注意。

しかしまあ、雪の無いこと。

 

最後尾の車窓から。この辺は豪雪地帯なんですけどね…枕木が見えてる。

今走っているこの区間が、先の災害から復旧した区間ですね。ドライブでこの辺を走りに来ることが多々あり、その都度線路を覗くと、草ぼうぼうで廃線のような風体でした。よくぞ復旧まで漕ぎ着けてくれたと思います。

 

しばらくすると只見駅に到着。ここでは10分の停車時間が設けられているので、空気を吸いにお外へ。

只見駅の近くにある国道沿いのデイリーヤマザキ、ここでよく昼や夜のドライブの補給をしていましたが、いつも行くたびにレジ横の只見線復旧のための寄付ボックスに気持ちをねじ込んでいたのを思い出しました。今後はそれを、乗車という形で支援して行きたいですね。

 

只見駅を出ると、六十里越のために勾配をグングン登ります。昔キハ58が営業終了する時、磐西・只見ぐるり一周号という列車に乗ったことがありますが、古いキハではエンジン全開で相当苦しそうに登っていた記憶があります。今車であるキハE120、あっけないくらい楽に登って行きますね。勾配を感じさせないくらい。

長いトンネルを抜けると、田子倉ダムの湖畔がちょっとだけ見え、すぐにスノーシェッドへ。このスノーシェッドの中に、写真にある廃駅の田子倉駅があります。地上設備の建物もまだ残ってたはず。

 

下りに転じ、上流特有の狭い谷間をクネクネ惰性で降りていくと、大白川駅に到着。ここでも行き違いで5分ほど停車時間が。対向から来たキハ110を写真に収めます。欲を言うとこっちのキハ110に乗りたかったな。道中すれ違ったのはこの一本だけでした。

 

さすがに新潟は魚沼丘陵、雪深くなってきます。峠を越え30分もすると、次は終点小出ですとの案内。外も気がつくと相当薄暗くなってきています。4時間42分の乗車も、景色を見たり呑んだり撮ったりうとうとしたり、なんだかんだ一瞬で終わってしまうもんですね。

 

列車は終着駅の小出に到着。出口から出てくる乗客の多さは、閑散路線とは言い難い人数を数えます。それでも、2両編成で運行本数を考えれば赤字は必死なのは仕方のないことか。なんだかんだ皆会津若松から乗り通していた人ばかりだと思います。お疲れ様でした。

 

上越線浦佐まで出て、上越新幹線とき号に乗車。E7系も気がついたら主力ですね。二階建て車両が懐かしい。

週末だからということもあってか、5両ある自由席はほぼ満員。なんとか三列真ん中のB席に乗車することができました。こんな平日の夜時間帯に埋まるもんなんですね…

 

ひさびさの只見線。盆地や河川、橋梁、山、ダムにトンネルや酒と、本当に風光明媚で乗ってるだけで楽しい路線です。近いうちにまた乗りに来ようと思う、素敵な旅でした。